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投稿日:2018.6.3(日)

しゅろ縄・庭園資材メーカー 株式会社エルモ 岡野社長インタビュー

本日は畑サイクルしゅろ縄や雑草廃棄用バッグの製造元でもある、

株式会社エルモ 岡野社長にインタビューを行いました。

しゅろ縄や自社製品について教えていただきました。

 

①御社の会社概要の説明をお願いいたします。


沿 革:昭和20 年、前社長岡野幸次が和歌山県海草郡野上町(現紀美野町)
にて当地特産の棕櫚製品(庭園用棕櫚縄)の製造を始める。
1973 年、中国棕櫚輸入協同組合を設立し、地域地場産業の棕櫚製品
(束子・ロープ・縄・箒等)の原料輸入を中国武漢より輸入。
地場産業の発展に貢献。
1983 年、現社長岡野收弘が庭園用棕櫚縄、家庭用品の販売を開始。
1986 年3 月、岡野幸次を代表取締役に株式会社エルモを設立。

1991 年、しゅろ縄原料を直接海外調達し海外での棕櫚縄製造協力工
場を設立。
1993 年、中国浙江省東陽市の棕櫚縄工場と契約、技術指導を始める。
1994 年、二輪用ヘルメットを韓国工場と提携をして企画販売を開始。
1995 年、現社長岡野收弘が代表取締役に就任、現在に至る。
1996 年、中国浙江省の棕櫚縄工場と契約、技術指導を始める。
2011 年、東南アジアでしゅろ縄の生産を始める。
2013 年、中国での棕櫚縄生産が人件費・原料高・生産の遅れ・工員
調達の困難が顕著になってきたので、一部特殊な縄を除い
て生産を中止、東南アジアにシフトして現在に至る。
2016 年7 月、弊社から原料を支給し縄の生産をしていただいていた
工場が高齢のために廃業、この工場を最後に日本国内では
園芸用のしゅろ縄生産工場は無くなり、全て弊社技術移転
した東南アジア工場での生産になりました。

 

 

②御社主力商品でもあります、しゅろ縄についてここがすごいを教えてください。


●弊社生産のしゅろ縄は園芸・造園用に特化しており樹木の生長に影響を及ぼさないように材料を厳選し縄の撚りを緩くしております。

また芯材に綿糸を使うことにより100%自然に帰る環境保全を考慮した製品になっています。

 

③材質は、しゅろではなくパームなのはなぜですか?


●パーム原料の輸入がされていない頃は地場産の天然しゅろ繊維で縄を作っていましたが、そのころは天然しゅろ繊維を使うと腐らず強く緩まないので包装用・漁業用・船舶用・とあらゆる場面で使用されておりました。

化学繊維のロープと縄が出始めると強くて柔らかく使いやすいために園芸・造園用以外は全て化学繊維に替わってしまいました。

以前は造園屋さんも時間の余裕が有り、

しゅろ100%の縄を使って庭管理の一部として切りに回るのも仕事でしたが、

パームにすると丁度良い時期に腐食し自然に切れて土にかえるので植木屋さんも切りに回る手間が省け、

その時間を新規の造園に使うことができるようになりました。

日本も景気の良い頃は庭園ブームがあり家が建つと必ず庭が付きものでした。

そのため余分な時間の節約と生木を傷めないという事にパーム縄が貢献したようです。
また、しゅろ繊維は細いために竹垣を作っても貧相に見え、見栄えが良くないのと、パーム縄と同じ太さに作ると値段がかなり高いものになってしまうという理由も有ります。

 

④御社の商品に対する思いを教えてください。


●景気の良い頃は大量消費で安く使い捨ての時代でしたが、

安い値段を維持するには品質低下を余儀なくされどんどん商品が悪くなっております。
弊社ロングセラーの自立式万能フゴをはじめ全ての弊社製品は品質保持または品質向上を目標に生産しております。

一時大量には売れませんが一度お使いいただいたお客様のリピーターが多く、安定して長く使っていただけるように改良を常に考えております。

 


畑サイクル農園でも支柱結束作業に使用していますが、

植物をいためにくく、環境にもやさいい天然素材でできているしゅろ縄。

ぜひ使ってみてください!

 

 

岡野社長 ありがとうございました!